蕨と蝮草

小樽市にて2011年5月31日撮影

裏山は新緑の季節です。青空に緑が映えます。
その下で蝮草が花を咲かせています。
雄花と雌花が並んで咲いていると思うのです。
名前を最初につけた方の初めて花に会った時の印象が、蝮だったのでしょうか。
確かに裏山でも独特の雰囲気を感じさせます。
一人静は名前から美しい花を連想させてくれます。
その点蝮草は名前で姿の印象を悪くしている。
裏山で会った初めから怪しさを秘めています。
でも毎日眺めていると怪しさも和らぎ、それなりに可愛いく見えます。
可愛くないと今にもかまれそうだと感じますか。

蕨(わらび:和良妣)は万葉集志貴皇子の一首(巻八の一四一八)のみです。
一度は詠んだことがある懐かしい歌と思います。

  「石ばしる 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる 春になり にけるかも」  志貴皇子

ワラビの頭の先の小さな新芽は春の息吹を感じさせてくれます。
裏山で多数摘み取って数人の方が帰られました。
春の山菜の代表ですね。
春ゼミが蕨から旅だったようです。
そんな蕨を見て詠む句一句。

   「草の葉の 蕨もまさに 萌え出づる」 北 帰航(第131句)

庭に咲く花です。