夏の花:エゾウスユキソウとチシマウスユキソウ

エゾウスユキソウ(蝦夷薄雪草)北大植

入園券を自動販売機で購入し、入り口の係りの人から北大植物園のパンフレットとリーフレット「植物園だより」を手渡された。いつもいただくパンフレットの最初には宮部金吾記念館の写真があります。パンフによると宮部金吾氏は初代館長で園の計画・設計を手がけ、明治19年(1886)に植物園は開園したと記載してあります。
話は前後しますが、余市からバスで乗り換えなしに道立近代美術館前でおり、鑑真和上展鑑賞後徒歩で植物園に来たのです。そのバス車内に置いてある無料の観光案内誌「ぶらら」(2006 vol.34、第5巻第5号、(株)財界札幌発行)の表紙を飾っていたのが宮部金吾記念館の写真でした。偶然にも訪ねようとした植物園の写真です。しかも表紙には大きな字で「宮部金吾の植物園」とありました。
ぶららの8頁から19頁に1)クラークの進言がきっかけ。宮部が設計した植物園、2)生涯の友、同期の秀才トリオ(内村鑑三氏と新渡戸稲造氏)、3)大雪山系の岩山を再現。600種が咲き競う、4)時計台、豊平館と並ぶ明治初期の洋風建築(博物館やバチェラー記念館などの園内の建物紹介)、5)ちょっと寄り道の内容で特集が組まれていた。早速一部いただいた。貴重な写真も多く掲載されていた。
8頁に作家船山馨氏(札幌出身)が、冊子「北の話」に寄稿した「札幌の中の札幌」で植物園への思い入れを紹介していて、「初めて札幌に出かける人に、どこを見ればいいか尋ねられた場合、私は必ず植物園とビール園と創成川畔だけは指摘する。・・・・・」と書いているようです。氏の小説も冊子も読んでいないのですが、尋ねられたら私も北大植物園と答えます。ただ、後の二ヶ所は私には思い入れるほどの縁がないのです。

リーフレット「植物園だより」は、シリーズで発行されていて、今回はエゾウスユキソウでした。エゾウスユキソウは園内の高山植物園から温室の間に展示されていました。いつもより多く目立つところに展示されているように思われました。
サウンドオブミュージックでも歌われた「エーデルワイス」の曲で有名なヨーロッパアルプスのシンボル、エーデルワイスは、同じキク科ウスユキソウ属の仲間だそうです。
ウスユキソウ(薄雪草)の名は全体を包んでいる白い綿毛を薄雪に見立ててつけられたとリーフレットにはありました。画像の最初の一枚がエゾウスユキソウ(蝦夷薄雪草)で、ついで三枚がチシマウスユキソウ(千島薄雪草)、後の二枚も蝦夷薄雪草です。どこがどのように違うのか分かりませんが、植物園にはもう一種オオヒラウスユキソウ(大平薄雪草)を見ることができること、種の系統保存を目的にこれらの種の管理、育成を行っていること、エゾウスユキソウの中で礼文島のものをレブンウスユキソウということ、エーデルワイスもエゾウスユキソウも絶滅危惧種に指定され保護されていることなどが花の説明(最後に「」で記載)とともにリーフレットに記載されていました。
不思議な雰囲気を醸している花といつも感じています。自生の姿を見たことがないので一度見てみたいです。
南千島もアルプスもなかなか行けないな。
画像は7月4日に撮ったものです。

「7〜8月に咲く花(エゾウスユキソウ)は5〜22個からなる頭花が密生してつき、頭花を囲むフェルト状の包葉が星形に射出して径2.5〜6cmほどの大きさになり、花びらのように見えます。筒状の細い花が集まった頭花は径6mm、ときに花柄がつきます。」