紫陽花と額の花と桔梗

小樽市にて2011年7月27日撮影

仲夏と初秋の標記の花が咲き始めました。
いずれももう少し前から小樽では咲いているのですが、
やっと咲きだしました。
アジサイの名は、万葉集にも見られますがガクアジサイと考えられているようです。
色彩と色からめでたい花とされ、移ろう色と咲きざまに注目されて詠まれています。
集中に大伴家持(巻四の七七三)と橘諸兄(巻二十の四四四八)の二首詠まれています。

  「言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟らが  練りのむらとに詐かれけり」   大伴家持
  「あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にを いませ我が背子見つつ偲はむ」 橘諸兄

これから花の色がきれいに変化していくのが楽しみです。
一方、桔梗は「あさがほ」として五首詠まれているようです。
「あさがほ(ノアサガオ)」は万葉植物現代名としてムクゲ説、ヒルガオ説、アサガオ説などあるようですが、
牧野富太郎氏のキキョウ説が最も有力とか。
秋の七草の一つで、本州では盂蘭盆の頃より咲き始めるようです。
ただ品種改良が進み早咲きの種が好まれて、五、六月咲きだすものが増えたとか。

   「萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花 」山上憶良(巻八の一五三八)