笹百合に会いに行く

百合が原公園(ササユリ)2007年7月4日

今日、百合が原公園へ好きな笹百合に会いに行きました。
園では早くに咲く百合の一つでしょう。
北海道には本来自生しない種で、葉がササに似ていることに由来する名前とのことです。
そして、万葉集に登場する植物の20位以内には入っていないのですが、百合を詠んだ歌は十首あります。
草深百合が二首、さ百合が八首ですが、それらがどういう百合をさしているのかいろいろな説があるようです。
前者はオニユリ、後者はヤマユリと考える説もあるようです。
後者には、祭りで酒樽を飾っていたのはササユリ(さきくさ、笹百合;Lilium japonicum)であることからヤマユリとササユリが詠まれていたようです。
横向きに濃い桃色から白色までの色で咲くササユリは、学名にjaponicumとあるように日本固有種のひとつです。


 吾妹子(わぎもこ)が 家の垣内(かきつ)の 小百合花 後(ゆり)と言へるは 不欲(いな)といふに似る   紀豊河(巻八の一五〇三)

詠まれている百合は、中部以西ではササユリ系を指すといわれているそうです。
関西地方に多く自生している百合だからでしょう。
百合は、このほかにスカシユリやヒメユリなども詠まれているようです。
画像の説明文とササユリの分布図は百合ヶ原公園で撮ったものです。
笹百合はなにか懐かしい心なごむ百合で好きな百合のひとつです。
笹百合を撮って詠む句一句。

   「薄桃の 笹百合が咲く 百合が原」   北 帰航(第63句)