エノコログサ

エノコグサ・余市で2006年9月2日撮影



今朝、余市川堤を散歩しました。
マツヨイグサ、オオイタドリ、エノコログサ、ススキなどが目に付いた植物でした。
エノコログサは、子供の頃から身近な植物です。
その分関心が薄く、正式な名前(和名)は極最近まで知りませんでした。
和名を知るまでたぶん、ネコジャラシと呼んでいたと思います。
また、エノコログサの仲間としてムラサキエノコログサ、ハマエノコログサ、アキノエノコログサ、キンエノコログサが手持ちの図鑑にあります。
もっと多くの仲間が北海道に自生しているかどうかわかりません。
ネコジャラシを観るとエノコログサという名をおもいだし、この植物のように生きた島秋人氏を思うのです。
1967年11月2日に、拘置所にあつた数年間、歌人として生の輝きを放ち、33歳の生涯を閉じたことを。
氏を知ったのは、帯封の以下の言葉に引かれ手にした本によってでした。
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 「雑草の生態とヒトの生涯  
 どこか似ているドクダミと、なぜかそっくり
 カラスウリ・・・雑草の興味深い生き方と、
 個性豊かに生きた人間たちとを重ね合わせて描く」
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本は、草野双人氏(雑草好きな二人の方のペンネーム)による下記の本ででした。
雑草にも名前がある 文春新書385
獄窓の一輪 エノコログサ
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きらきらとしたエノコログサの輝きが、秋人氏の歌人としての生の輝きに思われるのです。
草野氏が述べているように、「雑草は刈られる宿命を持つゆえに、処刑を待つ秋人の目には、よけい愛おしい存在として映ったのだろう。」を思い出します。
今日、もう一度本を手にしました。

「風浴みて愛(は)しき雑草(くさ)なるみづひきとゑのこぐさとを活けて笑みたり」 島 秋人

エノコログサ、狗尾草、猫じゃらし、ゑのころぐさ、えのころぐさ、犬子草、紫えのころ(イネ科) 
季語:秋・三秋

画像は、シリバ岬を撮った後に帰る途中で昨日撮ったものです。