蝦夷蒲公英

蝦夷蒲公英

 
今日は、よい天気でした。昨日、余市川堤に蝦夷蒲公英(エゾタンポポ)が咲いていた。花を支える萼(ガク)の外側にある突起である外総苞片がまっすぐなら在来種、反り返っているのなら帰化種という見分け方で、蝦夷蒲公英とした。家の周りなどほとんどの蒲公英が西洋蒲公英であったので、意外であった。植物分類学者森田竜義氏の研究から、蒲公英の在来種と帰化種の消長を決定したのは、両者の繁殖様式の差によるという。在来種が有性生殖で、帰化種が無配生殖であるという。蒲公英は、通年ロゼットのまま過ごすので、もし周りを背の高い植物に覆われてしまったら生活できない宿命にあるという。特に、有性生殖を行う在来種が暮らす場所は、つねに人手が入り、定期的に草刈が行われている場所だという。詳細は草野双子著 雑草にも名前がある(文春新書385)を一読いただくとして、在来種との競争では帰化種優勢に推移しているように見える。在来種が生息していた場所は、今つねに人手が入り、定期的に草刈が行われているのだろうか。我々の日常生活から、草刈などは昔ほど定期的に成されていないのではないだろうか。また、蒲公英の生育環境は、土壌のかく乱など大きな変化にさらされているのではないだろうか。蒲公英を取り巻く環境変化が、帰化種を優勢に推移させていると思われてならない。