蒲公英(タンポポ)

綿帽子

今朝は、どんよりとした空で、西洋蒲公英(セイヨウタンポポ)は花を閉じています。一方、綿帽子の面白い空間が、家の周りに見られます。もう45年位昔になるのでしょうか、姉が札幌の水車町に棲んでいた頃です。近くには林檎園があって、綺麗に咲いていた蒲公英が、夜になると閉じることを知ったのです。物心ついた頃から身近にある花で、野原や道端などいたるところで咲いている。昨日の北海道新聞夕刊の道新小学生新聞に「タンポポ生存競争」が載っていた。新聞に記載してあった在来種と帰化種の見分け方で、家の周りで咲いている蒲公英を観ると、明治に来日したという帰化種の西洋蒲公英でした。日本にはカントウタンポポカンサイタンポポ、トウカイタンポポエゾタンポポシロバナタンポポなど二十種以上あって生存競争を繰り広げているらしい。若葉は、食用となり、タナ、フジナとして古来食べられたという。古くから親しまれてきた花ではあるが、万葉集には詠まれていない様で、源氏物語枕草子にもタンポポの名は登場しないという。近世になってはじめて俳句に詠まれるようになったらしい。春の野を代表する蒲公英の季語の季節区分は、三春(初春、仲春、晩春)とのことです。

わが旅の蝦夷も果てなるたんぽぽ野    高浜年尾
たんぽぽや一天玉の如くなり        松本たかし
行けどたんぽぽ行けどたんぽぽ蝦夷広し  菖蒲あや

もう27年位前になるでしょうか、網走に棲んでいた頃です。綿帽子の蒲公英を蒲公英のおじいさんと話、綿帽子を蒲公英の赤ちゃんと教えていた娘も、昨年1児の母となり、仕事と両立させながら育児に精を出しています。蒲公英が年をとって頭が白くなり、おじいさんになり、そして、赤ちゃんが風に乗って世界に飛び出していく光景を孫にどのように語るのだろうか。

 ふじな 白花たんぽぽ 鼓草 蒲公英の絮 西洋たんぽぽ タンポポ(キク科)