余市川のウミウ?

リービ英雄著「英語でよむ万葉集」(岩波新書920)を再読しました。全米図書賞を受賞した名訳から約50首にエッセイをつけたものです。人麻呂、山上憶良大伴家持などの歌を新鮮な感じで読むことができました。
HP「BIVALVES」の万葉集の貝の部屋に、人麻呂の死にかかわる鴨山五首を記載しています。その中の歌番号224の石川の貝の歌も選ばれています。石川の貝は、谷ではなく貝であることを再認識しました(人麻呂刑死説)。
また、万葉時代と現代の恋と恋の表現方法の相違を再度考えさせられました。

 「現代の「love」でも「愛」でもない、もしかしたら現代の表現よりも人間の心の本当の動きを表わしている、古代日本語の関係性の動詞に出会うたびに、ぼくは考えさせられたのである。」151頁
「「恋ふ」という言葉は、「love」よりも、むしろ英語のlonging(思慕)やyearning(切望)に近いのではないか。」151頁

「恋ふ」は、さらに気遣う、焦がれるなど広い意味で使われていたような気がしてならない。

ほかの歌にもエッセイをつけた日本語の本を出版してくれないかな。
画像は、昨日余市川で撮ったウミウと思うのです。が、自信がありません。